「欧州妖異譚4 アドヴェンド~彼方からの呼び声~」篠原美季 [小説]
アドヴェント ~彼方からの呼び声~ 欧州妖異譚4 (講談社X文庫ホワイトハート)
- 作者: 篠原 美季
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/02
- メディア: 文庫
欧州妖異譚シリーズ第4巻目です。今回はタイトルのとおり、時期的にはクリスマス期間の話です。
今回はユウリが父親のフォーダム博士の代理で、アメリカ人の旧友が引退記念にドイツの古城で開催するクリスマスコンサートに参加することになるのが、話の発端です。
ただ、登場人物がほとんと英国妖異譚からのメンバーなので、もう、続きとしかいいようがない・・・
今回は、英国妖異譚の最後、番外編3で登場した天才ヴァイオリニスト、ローデンシュトルツが登場します。
欧州妖異譚のはじめのころのような、悪魔っぽいものは、今回はあまり表だって出て来ていません。
ただし、今後、ラルフ・ローデンシュトルフやキース・ダルトンは準レギュラー化するような気がします。
シモンの従姉妹のナタリーは、このシリーズになってからどこにでも現れてきますけど。
まだ4巻目。さあ、どう進んでいくのか。
帯では相変わらず、あおっています。
「ユウリの保護者の座を巡って、シモンとダルトンが対立!『寝ずの番なら、僕がしますよ』」
別に対立ってほどじゃなかったですけどね。でも、こっちの方はどうなるのか興味津々です。
もっともユウリは相変わらず天然です。
p228
「なんだかんだ言って、僕は、アシュレイのことをあまりよく知らないが、あいつは、どこまで非道だと思う?」
「そうですね」(中略)
「こうして、僕が生きているので、少なくとも、百パーセントの死地に追いやることはないと思いますが、運も含め、相当がんばらないとならないくらいの、つまりは、運が悪ければ死ぬかもしれないくらいの窮地であれば、遠慮なく叩き落としてくれますよ」
「ーそれで、よく付き合いを続けているな」
ちなみに、この話がクリスマス。そして、シモンはこの後、ユウリと日本で年末年始を過ごす予定、ということになっていますが、その日本でのショートストーリーが、来年のカレンダーについてきます。
「英国妖異譚 特別編 ユウリとシモンのゆく年くる年」
カレンダー自体は、文庫本の表紙の絵です。B5サイズと文庫本よりも大きくなっているだけなので、目新しいのは、・・・この短編です。冊子というよりもジャバラになっていて、表紙・裏表紙を入れて16ページ(本文14ページ)ですが、これは、まさに今年の年末用です。きっと、あとで短編集などに収録されるかなあとも期待するのですが、平成24年のカレンダーに同梱されることで、タイミングぴったりという感じです。
大晦日、除夜の鐘が聞こえる中、八坂神社の近くを歩いていた、ユウリとシモンが遭遇した出来事。そう、遭遇しちゃった大事件の話です。
これはやはり、うさぎ年のうちに読んだ方が、おもしろい感じがしますけどね。
コメント 0